上長に報告・相談してアドバイスをもらって、 一つ一つ経験を積み重ね克服していく

三ノ輪 太郎

二等機関士
2019年入社 / 海洋機械工学科卒業
(2022年取材当時)

船員、当社を志望した理由

小学生の頃から船のプラモデルや模型を作って集める事が好きで、いつか実際に船に乗れる仕事に就きたいと思っていました。中学卒業後から本格的に船乗りを目指し始め、高校と大学は船員教育課程のある学校へ進学しました。外航海運への就職は長期乗船と英語に不安があったので、内航船の船会社を志望していましたが、友人の熱い勧めを受け外航船の船会社に挑戦しました。会社訪問をしていく中で、自分に合った働く環境が見えてきて、私の場合は乗船ごとに仕事環境の変化が少なく、乗船中に上陸が可能というものでした。現在はコロナや環境問題の影響で、就活当初の求めていた環境とは離れてしまいましたが、当社が該当する船会社でした。また、当時の会社訪問の際に担当していた社員の印象が良く、決め手となり志望しました。

やりがいとは...

機関士でやりがいを感じる瞬間は、やはり整備後の試運転で問題なく動いた時です。各パーツの計測結果や組付け作業が良好だとしても、試運転するまでは最終的な良否の判断がつきません。そのため、どんな機器でも試運転は緊張します。特に整備に手間を要した機器や過去に失敗した経験のある機器の試運転の際はとても緊張しますが、試運転で異常なく動いてくれた時の安堵と達成感はこの仕事の醍醐味です。

船内でのレクリエーション

状況が許せば、毎週土曜日の夕食はパーティを開いており、焼肉や鍋、たこ焼きなど全員で楽しめるような食事を企画しています。タイミングが合えば、外国人クルーと一緒に行うこともあります。その時は彼らの国のスタイルで食事をとったり、珍しい料理を楽しんだりすることが出来ます。プライベート時間は、マンガやゲーム、ネット環境もありますので動画などを見て過ごしています。また私は運動する事が好きなので、ジムで筋トレをしたり、外国人クルーと卓球をしたりして汗を流しています。最近は、夕食後にみんなで集まってボードゲームをすることにはまっており、毎日の日課となりつつあります。

外国人クルーとのコミュニケーション

機関士は機関部部員の外国人クルーとペアを組み、日々整備作業を行っています。私より乗船経験の長いクルーばかりですが、彼らの作業は私たち士官のオーダーに沿って行われますので、機関士としての責任をもって指示ははっきりと伝える必要があります。優しい人柄のクルーばかりなので、もし何かあれば彼らから提案を受けたり、自分が困っていれば”任せろ!”と言わんばかりに力を貸してくれることもあります。また、彼らとの業務中でのやり取りは基本英語を使用しますが、お互いの伝達ミス回避のため、簡単で分かりやすい英語で会話しています。特に機関室作業では騒音で聞き取りにくいので、ジェスチャーも交えてコミュニケーションを図ります。

乗船して苦労したことやその克服

船で実施する作業で基本となるのは取扱説明書です。三等機関士で乗船したての頃は、文字ばかりで読むのが辛いときもありましたが、これを基に保守整備することで船の安全運航が維持されています。しかしこの取説、全てが詳しく書いてあるという訳ではなく、経験によって補われる場合があり、経験の少ない私のような機関士はなにかと苦労します。例えば、”このカバーを外して~”という一見簡単そう手順があっても、実際には複雑な構造でそのカバーの外し方自体が分からない、となるわけです。こういった場合は無理にやらず、上長に報告・相談してアドバイスをもらって、一つ一つ経験を積み重ね克服していくしかありません。“船の仕事は経験がものを言う”まさにその通りだと身をもって感じています。

船員の長期休暇

陸上休暇を有意義に過ごす為には乗船中にどれだけやりたいことを見つけられるか、これがとても重要だと私は思っています。タイミングにも寄りますが、約3か月の長期休暇がもらえますので、この休みを生かして旅行に行ったり、趣味に没頭したりするのもありです。私が休暇中にお勧めしたいことは、同じ海運業界で働いている友人と集まることです。働いている会社が違えど、船という特殊な環境下で皆同じような経験や失敗をしてきています。共感できる部分も多々あり、苦労しているのは自分だけじゃないのだと知ることで少し安心しますし、何より盛り上がること間違いありません。

HISTORY

  • 2019年 当社入社(三等機関士)
  • 2021年~ 二等機関士
  • 2022年11月現在 VALE MAX (40万トン型鉱石専用船)の当社運航船に二機士として乗船中

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